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2006.11.11

The Norton Anthology of African American Literature

●アフリカン・アメリカン文学の豊穣の海へ!

この本は、アフリカン・アメリカン文学を網羅する総ページ数・約3000ページにも及ぶ大著である。

奴隷の所有者が奴隷に読み書きを教えることすら罰金の対象になったと言う奴隷時代から、公民権を獲得するまでの苦難の歴史の中で培われた、あらゆるジャンルの文学が系統的に収録されている。

この本で注目すべきは、書かれた文学だけを収録することに満足せず、アフリカン・アメリカンの魂とも言えるゴスペルやスピリチュアル、そしてそれをもとに近代に発展したブルース・ジャズに至るまでの音楽にも焦点を当てていることだ。

ゴスペルやスピリチュアルの歌詞だけでなく、アフリカン・アメリカンの音楽そのものが概観できるようにほぼ時代順にCDに音源が収録され、それを聞くだけでも十分値打ちのある本になっている。中でも、1940年代に収録された刑務所の囚人による労働歌は貴重な音源であろう。

さらに19世紀末の奴隷や、アフリカン・アメリカンの指導者たちからキング牧師マルコムXにいたる人々の肉声が収録されたCDもついている。
キング牧師の"I have a dream..."の演説を聞いた後で、それを痛烈に批判し力によるアフリカン・アメリカンの解放を訴えるマルコムXの演説 "The Ballot or the Bullet"(投票か弾丸か)を聞けば(*)、アフリカン・アメリカン解放が決して単純な成り行きの中でなされているのではなく、恐らく今なお複雑な思想的葛藤の中に進む成り行きであることを実感させてくれる。

*American Rhetoricのページでアメリカの有名な演説を聞くことができる。

01:14 PM in 文化・芸術 |

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